コスプレ撮影・ライティング研究所

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撮影機材

クリップオンストロボ購入チェックポイント

2019/08/29

天候の悪いロケや自然光だけだと厳しいスタジオなどでの撮影でストロボ欲しいなぁと思った事のある人は多いと思います。
私もそういった場面が多く、いざストロボを探し始めたんですが、よく分からなくて、最初はメーカー純正クリップオンストロボを購入しましたが、今では滅多に純正は使いません・・・

紆余曲折ありまして、現在ではGODOXというメーカーのTT600というストロボを使っています。

決め手は
・光量調整の幅が広い
・照射範囲の調整幅が広い
・適法な電波式スレーブがある
・価格が安い
の4点でした。

ストロボは色々なメーカーが商品を発売していて、差別化の為に色々な情報が書かれています。
ですが、書かれすぎていて逆に選べなくなってしまいました。
結論から言えばTT600がおすすめなんですけど、この記事を読んだ方が自身でもストロボを選べる様に、各種機能やキーワードなどを解説してみたいと思います。

・最大出力/GN(ガイドナンバー)
最大の明るさの指標です。【Ws】とか【GN】といった数字で表記されます。
数字が大きいほど明るい光を出すことが出来ます。
1/1 出力@105mm とかって書いてある場合はフラッシュの照射角度105mmにして、1/1発光(フル発光)した時のGNを表しています。

・調光範囲
最大の明るさからどこまで暗くすることが出来るか。です。◯段階と書いてあることもあります。ちょっと難しくなりますが、EVの数字が1変わる事を1段と表現します。
1/1 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64 1/128 1/256
1段                       9段

よく勉強していない販売業者などが、1/1-1/128を22段階とか良くわからない表記をすることも多いですので、私は1/○○の○○の数字を参考にしています。
◯◯の数字が大きいほど調光範囲が広いです。

・チャージタイム/リサイクルタイム
1度発光してから次に発光出来るまでに必要となる時間です。
大抵◯.◯◯秒-◯.◯秒といった感じで幅が表記されますが、発光出力が最小の時と最大の時の物が表記されています。また、電池式クリップオンの場合ですが、電池が一番元気な時が目安になっていますので、電池が弱くなった状態ですと、この表記よりも遅いチャージタイムになります。

・フラッシュ範囲/照射範囲
カメラに直接ストロボを装着した時に35mmカメラの焦点距離何mmのレンズの画角をストロボが照らせるか。の数字です。
フルサイズカメラにストロボを装着してストロボの照射角を50mmに設定して、カメラのレンズは24mmで撮影、ということをすると撮影した写真の周辺はストロボの照射範囲外になってしまうので、暗くなってしまいます。

・オートズーム
前述した【フラッシュ範囲/照射範囲】の照射範囲をストロボをカメラに装着した時、カメラのレンズの焦点距離に自動的に合せてくれる機能です。レンズの焦点距離とストロボの照射範囲の設定を間違えて周辺が暗くなるといったミスを防いでくれます。

・マニュアルズーム
使用者が任意でストロボの照射範囲の設定が出来る機能です。

・閃光速度/フラッシュ発光時間
ストロボは一瞬の光りですが、その一瞬がどの程度の長さかと言う数値です。一般的にクリップオンストロボの閃光速度は早いです。閃光速度が早ければ早いほど動いてる物をブレずに撮影することが出来ます。水撮影はジャンプしているシーンの撮影など、閃光速度が早いほうがブレずに撮影する時などに大切になる指標です。ちなみに、発光出力は低ければ低いほど閃光速度は早くなります。

・コントロール可能スレーブ群
チャンネル数とは違い同一チャンネルの発光量などをグループ別に設定できる数です。
人物に当てる光と、スモークに当てる光の出力(明るさ)が同じで良いなら問題はありませんが、大抵は違い明るさに設定することが多いです。この時にこの設定グループを変更することで、同一チャンネルで別々の出力を設定することができます。

・伝送距離
スレーブ機能を利用する時に発光のトリガー信号を出す機器からどの程度離れて動作するかの目安の事です。技適マークありのKPI(株式会社ケンコープロフェショナルイメージング)取扱製品で概ね約100mとなっていますので、100mを大きく超える様な表記がある製品は日本で使うには電波法をクリアしていない可能性が高くなりますので、自己責任での使用となります。

・チャンネル数
スタジオやロケ地にカメラマンは1人きり・・・といった状況なら問題ありませんが、コスプレ撮影の場合は大抵他にもカメラマンが居ます。その時自分のストロボと他人のストロボが一緒に光ってしまってはお互いに大変です。その時このチャンネルを変更することで、一緒に光らなくしてくれます。チャンネル数が少ないと使用チャンネルが同じになってしまう可能性が高くなりますので、チャンネル数は多いほうが良いと言えます。

・モデリングフラッシュ
クリップオンストロボにはモデリングランプと言うものが付いていません。モデリングランプとは何かというと、ストロボの光は一瞬過ぎるため、どの様に光が照射されているのかを確認するためにモノブロックストロボ等に搭載されている定常光の光源を指します。LEDやハロゲンランプなどが一般的で、影の出方などを撮影前に確認出来るのでとても便利な機能です。ですが、クリップオンストロボにはそれがありません。モデリングフラッシュとは、弱い出力でストロボを連続で発光させる事でその機能を擬似的に再現するための機能です。

・AF補助光有効範囲
ストロボは暗い所で使用することが多い機材です。ですが、暗すぎてピントが合わないという経験したことがある方は多いと思います。そんな時にカメラのピント合せを補助するための光を照射してくれる機能の事です。

・電源
基本的に単3電池である事が多いですが、バッテリータイプも数は少ないですが販売されています。私としてはバッテリーも劣化していきますし、いざという時すぐに入手が可能な単3電池式が良いと思います。

・最大発光回数
電池/バッテリーが満充電の時に何回フル発光(1/1発光)出来るかの回数が書いてあります。当然ですが、低い出力/発光量であれば、その回数が多くなります。

・省電力機能
休憩などでストロボをスイッチをONのまま一定時間使用しない事もあると思います。その時自動的電池の消耗などを抑えてくれる機能です。

・色温度
大抵は5500k±○○などと表記されています。細かい説明は省きますが、大事なのは【±】以降の数字です。あまりにも色温度の変化が大きいと、使いにくい物になってしまいますので、なるべく数字が小さい物の方が良い物と言えます。ですが、数社のストロボをテストしてみたことがありますが、表記通りである事は案外少ないので余り気にしすぎない方が良いかもしれません。機会があれば、各社のストロボの色温度比較等をやってみたいと思います。

・サイズ
大抵はストロボ本体のサイズが表記されていますが、適当な販売業者の時は梱包時のサイズが書いてあったりします。

・重量
大抵はストロボ本体の重さが表記されています。その表記には大抵単3電池の重量は含まれていません。ロケなど撮影地までの移動の際に当然ですが軽いほうが楽になります。

まだまだ機能など未記載の物も多いですが、とりあえずこんな感じで随時加筆していきます。

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