カメラの選び方
今回はコスプレを撮影するにあたって、どのようなカメラを選べば良いのか考えて見たいと思います。
カメラの種類をまずざっと箇条書するとデジタルカメラとフィルムカメラに大別されるかなと思います。チェキなんかはフィルムカメラの範疇ですが、基本的には使用しないでしょう。
デジタルカメラ
フルサイズ、APS-C、フォーサーズ、1型など、従来のフィルムカメラで言うところの、フィルムの大きさが色々あります。センサーサイズと言います。
センサーサイズの違いは
- ISO感度を高くしたときのノイズ発生量
- 被写界深度の大きさ
の2点に主に関係します。
センサーサイズが大きいほうがノイズが発生しづらく、ボケ量が多くなります。
逆にセンサーサイズが小さいと、ノイズが発生しやすく、ボケ量が少なくなります。
では、コスプレの撮影で求められるカメラを考えます。
フルサイズ
・女性アイドル(ボケを利用して柔らかい雰囲気に撮りたい、背景を整理したいなど)
・イベント撮影(背景の人をボカシたい)
・暗い環境で高いISO感度を使用する(暗目の環境での撮影が想定される)
などの場合はセンサーサイズが大きいカメラの方が便利です。
APS-C
・男性戦闘もの(明瞭度が高めの写真)
・スタジオでストロボを使用する撮影
などの撮影が多い場合はセンサーサイズよりは、オフストロボとの連携のしやすさ(絞り、ISOの操作が簡単など)を優先しや方が良いと思う。
ただ、絞りやISOの操作を頻繁に行うのは、撮影スキルとしては高めです。そして、撮影スキルが高めの人をターゲットにしたカメラのセンサーサイズは大きくなる傾向があるので、結局はある程度の大きさになってしまう場合が多いが、APS-C程度あれば操作性と値段などのバランスがいいカメラば選べるので、フルサイズに拘らずAPS-Cのカメラも視野に入れると良いと思う。
むしろ、経験が浅いうちはAPS-Cサイズで浮いたお金で灯具関連に予算を割いたほうがスタジオ撮影は上達すると言うカメラマンが多い。
フィルムカメラ
チェキが一応はフィルムカメラの範疇かと思いますが、コスプレイヤーさんがカフェイベントやコミケでの特典などで利用する事が多いです。サービス精神が旺盛なカメラマンがコミケなどで、写真をその場ですぐ渡せるカメラとしてたまーに使っているのを見かけますが、写真1枚で100円くらいするフィルム代や、自分の手元には写真が残せないといった不便さから基本的には使用されないです。
また、昔ながらのフィルムカメラの”味”が好きで、使用している人も稀にいるようですが、基本はデジタルカメラを使用していて、撮影する内容によって極稀にフィルムカメラでの撮影をする、といった使い方が多いでようです。メインでフィルムカメラを使用している方は僕の知り合いではいないです。
写真の”味”は面白いことは確かにありますが、レイヤーさんが欲しがる写真は基本的に「データ」の状態ですので、現像からスキャニングなどの手間を考えると、現像ソフトなどで、フィルムライクな作品の仕上げを考えた方が便利かと思います。
メーカー
CANON、NIKON、SONY、PENTAX、OLYMPUS、Fujifilmなど、カメラメーカも沢山あるが、どこのメーカーを買うべきかは結構悩むと思う。
考え方として、撮影仲間や先輩がいる場合はメーカーを揃えてしまえば機材の情報を教えてもらえたり、トラブル時に助けてもらえたりするので、拘りがなければおすすめである。
ただ、あくまで趣味のものであるので、やはり自分が気に入ったメーカーが所有したときの喜びが違うので、無理に先輩などに合わせる必要は無いと思う。
画素数
画素数に関しては色々な意見があるが、正直1200万画素程度あれば大抵の撮影は出来てしまいます。
基本的にはネットメディアであるSNSで利用されるので、画素数は長編で1500pix程度で十分になります。
これは画素数で言うとたったの150万画素だったりします。
では、高画質の出番は?となるが、用途が印刷になるとさっきの話とは大きく異なってきて。
印刷の場合、大抵は300dpi以上を推奨しています。トラブル予防の為に400dpiを推奨している印刷所も多いです。
この解像度(400dpi)でA3(A4見開き)の画像を作ると2950万画素です。ちなみに300dpiの場合は1660万画素。350dpiの場合は2259万画素です。
なので、レイヤーさんがコミケなどで、写真集を頒布する予定があるのならば、2000万画素程度のカメラでの撮影が望ましいでしょう。
コスホリなどのROMと言われるメディアでの頒布ならば、長編2000pix程度がメインとなると思われるので、画素数はある程度無視できると思って良いでしょう。
以上ざっと、カメラの選び方をまとめてみましたが、絞れば被写界深度は深くなるし、暗くなってISO感度を上げるとしても、センサーサイズが大きければノイズに強くなるってことから、結局は上級機種のフルサイズ機がオールラウンドに使えるカメラになってきますが、カメラ本体はもちろんレンズも高価になってきますので、撮影スタイルによっては、灯具などへの予算配分も考えながらのカメラ選択になると思います。
スタジオ撮影、ロケ撮影、ポートレート撮影など、スタンダードな撮影で想定される機材セットをまた別記事にてまとめようと思います。